マニラMakabata Geust Houseのお・も・て・な・し


2014年1月22日。
私のパスポートには6個目のフィリピン入国のスタンプが押されました。
1年半の月日を過ごし、別れを告げてから1年ぶり。
そして、関東地方を直撃した台風のために、飛行機に乗りそこね、泣く泣く成田から引き返してから、3か月…。
とにかく、久しぶりのフィリピンです。


ここで生活していたとき、私の肌はフィリピン人の肌の色「カユマンギ」でしたが、日本に帰って1年経つと、元に戻りました。
それでも、私を育て直してくれた国は、もはや、まったくの外国とは思えません。
会いたい人があちこちにいて、走り回ってばかりいた4泊5日でしたが、やはり外せないのは、バハイ・トゥルヤンです。


残念ながら、スケジュールの都合上、ボランティア活動のメインだったラグーナ州の養護施設までは行くことはできず、マニラオフィスのみの訪問となりましたが、いつも手とり足とり世話をやいてくれたスタッフのリサ姉と、昨年の春に高校を卒業した二人の少女と再会することができました。


さて、この少女たち。現在は、マニラオフィスに併設しているゲストハウス、MakabataGeust Houseで、インターン中。


Makabata Geust Houseは、バハイ・トゥルヤンが経営する宿泊施設。寄付だけに頼るのではなく、自分たちも収益を生み出し、持続可能な活動をしていこうという目的で2年前にオープンしました。
(悲喜こもごものオープンの舞台裏は、こちら。)


そして、このゲストハウスを支えているのは、路上暮らしを経験していた子やスラム地域で暮らす若者たち。


Makabata Geust Houseを運営する、もうひとつの目的は、彼らの自立を支えることにあります。フィリピン社会のなかでは、安定した仕事を得ることが非常に難しく、バハイ・トゥルヤンで育ち、巣立っていったあとも、経済的な不安を抱えていたり、力をもてあましたりしている子はたくさんいます。


けれどもMakabata Geust Houseができてからは、高校を卒業した子たちが、ここで働くことで仕事のスキルを身につけ、良い職を手に入れたり、お金をためて、大学に進んだりといった道がひらかれつつあります。


インターン生のひとり、カルメンは、大学で心理学を学び、バハイ・トゥルヤンのようなNGOで働きたいと考えています。仕事のない日は、ストリートチルドレンを対象にした活動のファシリテーターもつとめ、すでにバハイ・トゥルヤンになくてはならない柱になっています。


そんなMakabata Geust Houseの売り上げに貢献すべく、今回は私もお客として、一泊、シングルルームに泊まってみました。
オープン前は、私も夜中まで必死でこのゲストルームの床を磨き、床の上で眠りこけました。感慨もひとしおです。


でも、日本人目線で見ると、扇風機とテレビが壊れたままというのは、ちょっといただけないなあ…。
今後の改善を期待して、指摘しました。


さて、翌朝の朝食はカフェでオーダー(宿泊費込み)。コンビーフのサンドイッチセットを頼み、近くの市場で買ってきたマンゴーも渡して、皮むきをお願いしました。


そうして出てきた朝食。


このマンゴーのカット、並々ならぬ「おもてなし精神」を感じません?


ちなみに、日本では、にわかに「おもてなし」が注目されていますが、フィリピンも自分たちのhospitality精神にプライドを持っています。それはサービス業のなかだけではなく、ふだんの生活のなかでも浸透しています。
家に人が訪ねてきたとき、ジプニーのなかで、道ばたで、困っている人がいたとき、あらゆる場面で、おせっかい上手な部分が顔を出します。
(親切を装った犯罪もたまにあるので、過信は禁物ですが・・・)


さて、現在Makabata Geust Houseの壁には、こんな絵が飾られています。


ゲルニカを思わせるような(?)、芸術性の高い絵! これも、バハイ・トゥルヤン出身の若者の作品で、1点1万円弱で販売、収益はバハイ・トゥルヤンの活動に使われます。
落札希望のご連絡、お待ちしています。


Makabata Geust Houseには、ほんのわずかな滞在時間で空港に向かわねばなりませんでしたが、最後は「やさしそうなドライバーのタクシー探してきて」という私のお願い通り、少年たちが良心的なタクシーをひろってくれ、無事に帰路につくことができました。


あわただしい別れとなりましたが、きっとまた、遠くないうちにMakabata Geust Houseで会えると思っています。

One Response to “マニラMakabata Geust Houseのお・も・て・な・し”

  • 鳥生 もみじ:

    こんにちは。
    都内の大学に通う3年生です。
    私はBTの近くにあるDe La Salle大学に数か月通っていました。
    今はpeer educationをテーマに卒業論文を書いているのですが、それに関連してBTについても調べていたら、このブログにたどり着きました。とても楽しく読ませていただいたのと同時に、実際に人と触れ合って自分の目で見たり感じたりすることって、物事のより正しい理解に近づくために大切なんだと思いました。
    近いうちにまたフィリピンに行こうと考えています。その時にBTに関われたらいいなと思っておりますが、いろいろお話聞かせてもらってもよろしいでしょうか。
    メールでのお返事お待ちしております。

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プロフィール

野口和恵

フリー編集者・ライター。児童書編集にたずさわるかたわら、国内外の子どもを取り巻く問題について取材。

著書に「日本とフィリピンを生きる子どもたちージャパニーズ・フィリピノ・チルドレン」(あけび書房)がある。


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