Where are you from?


約1年ぶりにフィリピンに滞在中です。
定宿のドミトリーについて、まずバハイ・トゥルヤンに向かいながら、マラテ周辺を散策。 


スペイン、アメリカの統治下にあって、華僑も多いフィリピンでは、人の顔だちもさまざまです。
なので、私も現地に溶け込んだ服装をして、タガログ語を話していると、フィリピン人だと思われることがよくあります。もしくは、「コリアーノ?」、次に「チャイニーズ?」とよく聞かれます。ほかにも「ベトナム人?」「タイ人?」と聞かれたことも。(なぜか最初から『日本人』と充てられることはほとんどありません)でも、聞くほうにとっては会話のきっかけにすぎなくて、最終的に日本人と判明したからどうなるということでもありません。ふざけて、韓国人やフィリピン人のふりをすると、それはそれで通るので「国籍ってなんだろう?」と思います。


日本人の父親、フィリピン人の母親の間に生まれたジャパニーズ・フィリピノ・チルドレンで、日本の英会話スクールで働く男性は「先生は何人なのですか?」と聞かれるのがたまらなく嫌だといいます。結婚した両親のもとに生まれた彼は法律上、生まれたときは日本国籍を持っている日本人でした。けれども、フィリピン生まれの彼は、諸般の事情で、生後3か月以内に求められている届け出を両親が行えなかったことから、日本国籍を喪失してしまいました。詳細は拙著「日本とフィリピンを生きる子どもたち」に書かせていただきました。
自分の責任ではないところで、なかったことにされてしまった日本国籍。彼は生徒から質問されるたびにそれを思い知らされています。


「国籍っていうものがきらい。みんな同じ人間でしょ」。ある席で涙ながらそう話した女の子もジャパニーズ・フィリピノ・チルドレンでした。フィリピンにルーツがあるということを理由に、初対面の人からも嫌な言葉を浴びせられた経験もあったといいます。


またあるジャパニーズ・フィリピノ・チルドレンはこう語ります。「日本とフィリピン、どちらのアイデンティティも大切にしたいけれど、二つの国に同時に住むことはできません。二つの国の間に生まれた僕たちは、いつも選択を迫られています。それがとっても苦しいんです」


現在、日本に暮らす人々の100人に1人が外国籍で、生まれてくる子どもの30人に1人は、両親のどちらか、あるいは両親とも外国人です。さらに法務省によると平成18年の時点で、100人に1人の子どもが生まれたときに重国籍だといいます。急速に多民族化が進む現在、口にはできなくても彼らのような思いを抱えている人が大勢いるはずです。

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プロフィール

野口和恵

フリー編集者・ライター。児童書編集にたずさわるかたわら、国内外の子どもを取り巻く問題について取材。

著書に「日本とフィリピンを生きる子どもたちージャパニーズ・フィリピノ・チルドレン」(あけび書房)がある。


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